婚活の興味深いサービス、「EQ診断」を見て考える心の感度

コロナ自粛でテレワークも進んでいます。

　今の時期はこんなたいへんな時ですから、なかなか「まずは相手と会って」というわけにもゆかないと思います。
　焦らずいきたいものです。
　息抜きも必要です。適度にストレッチなどしてリラックスしてゆきましょう。

【心の感度とは何か】

　ちよっと面白いサービス名だと思いました。
　婚活の前、事前の準備としてのサービスのようです。
　表題の「EQ診断」というサービスの「EQ」というのは、エモーショナル・クォリティ　ということだと思います。
　サービスの説明を見ると「心の知能指数診断」という言い方がされていますが、正しくは「心の感度指数」という方がいいのかも知れません。

　知能と心は違うものですから（笑）。

　その人の心の感度が強いとか、穏やかであるとか、感受性には色んな波と特性があります。

　ただ単に繊細であるとか豪胆であるかというだけでは婚活とどう結びつくのか、具体的には分からないかも知れません。
　これを少し具体的に言えば、例えば「センシティブな人」というのは気持ちを乱されがちで、恋愛で悩んでしまうことが多いような人です。これに対して「鷹揚な人」というのは悪く言えば鈍感な人。相手の気持ちや機微を分かってあげられなくて失望させてしまうケースが多いものです。

　そんなご自身の感情の特性について知っておくことは、婚活にも役に立つことだと思います。

　ではそれはどう役に立つのでしょう。
　それはまず第一には初対面の出逢いでどうお付き合いを始めればよいのか、そんな第一印象に関わることなのだと思います。初対面では感情のコントロールすることが必要だからです。

　私たちは感情に動かされてしまったり、不安な気持ちから自分を護ろうとしてしまい、相手に自分を上手く見せられなかったりすることがあります。
　その自分の感情をコントロールしたり波をつかむことで、出逢いから相手を知るまでがスムースにできるかと思います。

　ここでご取り上げたサービスの詳細については、資料を請求（無料）しないとよく分かりませんので具体的なことはお任せしますが、このサービスの名称についている「EQ」という言葉からは私も少しお話ができるかも知れません。

　婚活というキーワードから見つけたサービスですが、今日はひとつこのサービスの名前から、今日は出逢いということ、婚活に関係した心の感度＝感情というものについてお話してみたいと思います。  

　「心の感度」とは「感受性」や「感情の波」とも言い換えられます。
　人とお付き合いを始めようとする時、私たちの「心の感度」は、いったいどんな働きをしているのでしょうか。
　出逢いとは相手を知ろうとすることがまずその第一歩です。そして私たちは自分の存在を相手に伝えようとします。
　この時、私たちは相手が自分をどう見ているかを知ろうとします。
　誰でも良い印象を持たれたいと思いますから、相手を知ろうとしている自分がどう見られているかを意識します。そして自分を相手に伝えようとします。
　良い印象を持たれれば相手のことが素直に理解できるからです。

　悪い印象を持たれていると「ソリが合わない」などと言って受け入れてもらえず、相手のことも分かりません。

　これはリズムのある心の動きです。
　見られている自分、伝える自分、そうして相手のこと。
　私たちは視線や態度、言葉でのキャッチボールをしてお互いの関係を深めてゆこうとします。

　そのリズムを上手に掴んで感情をコントロールできれば、出逢いから始め、お互いの関係を想定したりお付き合いを続けるかどうかの判断ができます。雰囲気に流されてしまったり、相手への期待ばかりが先に進んでしまうということはないでしょう。
　適切に「心の感度」を使ってゆきたいものです。

　それには、どうすればよいのか。

　ちょっと堅苦しい心理のお話になりますが、分かりやすくお話ししたいと思います。

【出逢いは防衛的】

　お見合いや出逢いというのは、もちろん相手がいてのことです。
　まず相手に見られる自分がいて、お相手がいます。私たちはその相手に対してどう振舞うかを自分の感情の中でまず決めています。

　好ましいと直感した人であれば好かれようと振舞いますし、よいと思われていると感じると友好的に振舞うことが出来ます。
　関心がなければそれなりの態度になります。関心がなくても失礼がないように熱心な振る舞いをすることもあります。それは人それぞれの「性格」によるものです。

　性格は感情とはまた違うものですが、相手に対する振る舞いを決めるという意味では同じです。

　つまり私たちが相手に対して態度を決めること。
　それがまず「人と知り合う」ということではないかということです。
　それが「対人対応」というものだと思います。

　出逢いというものは最初はまず防衛的なところから出発します。相手が初対面であれば人は自己防衛的にならざるを得ません。それは本能的なものです。
　相手に気に入られたいという感情にしても自己防衛的なところがあります。初対面から嫌われてしまいそれで自分が傷つかないようしているからです。

　この時、感情（エモーション）はどんな役割を果たしているのでしょうか。それは相手との関係作りを成功させたいという気持ちです。そのために嬉しい気持ちで相手と話したり、穏やかに相手を受け入れようとします。
　防衛的な本能によってそんな感情が邪魔されてしまうことがあります。

　 よく、「初対面の話は苦手だ」とか、 「人付き合いが苦手だ」、 という人がいます。
　そんな人は初対面で自分を上手く表現できなかったり、相手のよいところを見いだせなかったりして出逢いに失望してしまいます。失敗したと感じるともう一度会おうとは思えません。初対面の出逢いはたいていそのまま消滅してしまいます。
　ああすればよかった、もっとうまくアピールできたのに、もう少し怖がらずに話を聞けばよかった、と、後悔してしまい失敗だったと思うのです。

　しかし「人との付き合いが苦手だ」と簡単に言っても、それは私たちの様々な心の動き、感情による「情動」が関係した結果です。
　防衛的な本能が恐怖心を引き起こしたり猜疑心が先に立ちます。相手に先回りしようとして友好的な態度でなくなってしまうことがあります。
　先に嫌われたりしないよう相手にまず嫌悪感を持つところから始めてしまう人もいます。これは「先入観」などと言われます。

　出逢いの初対面では相手との距離感がありますから、そこで自分を防御しようとする本能的なこと優越させてしまうと、こうした気分（感情）を制御することが難しくなります。

　ですから、ここでの結論について逆から言えば、「自分は人に理解されにくい人間だ」とか、「自分は他人との付き合い方が分からない」ということは決して「ない」ということです。 それは感情がお互いの理解を邪魔してしまったに過ぎません。
　そして出逢いでは相手も同じように自己防衛的であることを知っておきたいものです。

【対人関係の得手不得手】

　そもそも、「自分は人付き合いが苦手だ」などと考えている人でも、やはり人は恋しいものですし、一人は寂しいものです。人付き合いが苦手と言っても「人間が嫌い」というわけではありません。

　では、いったい何が問題なのかというと、人に対してどう振舞ったらよいか苦手意識があるということなのです。
　つまりこれは端的に言えば、人があなたを見る印象について対応できていない、ということです。
　本能的に出逢いの最初は防御的ですから、相手があなたをどう見ているか、それが気になります。
　対人関係を作る得手不得手の違いとはそれに対する振る舞いの決め方、対応の仕方に得手不得手があるということなのだと思います。

　相手があなたをどう見ているかをあまり意識し過ぎたりすると、相手のあなたへの印象を知ることにはならなくなってしまいます。あなた自身が思う「相手のあなたへの印象」を考えることになってしまいます。つまりそれは「相手を探る」ということになります。
　それでは相手に対する振る舞いを決めることができません。

　そうすると感情（エモーション）の方が先に立ってしまい、相手との距離感が分からなくなったり、自分の情動をうまく制御できなくなってしまいます。
　それは不安定な態度として表れてしまいます。同じように防御的になっている相手に警戒されてしまったりします。
　人と理解しあうのには障害になります。

　そうなると、相手の方とあなたとの性格とか、相性の問題ではなくなってしまいます。
　あなたはあなた自身の感情に振り回されて、出逢いを失敗させてしまうことになります。
　それはお互いに理解しあうことが出来ず、「相手との相性が悪かった」という以前の結果になってしまいます。
　私たちはよくこれを「タイミングが悪かった」と片付けてしまうものです。
　しかしそれはコミュニケーションのとり方、やり方の問題なのですから、また同じことが起きる可能性は高いでしょう。

　私たちには感情（エモーション）というものがあって、それはごく自然で自発的なものです。
　それは私たちの気持ちを取り巻いて血液のように私たちの心を動かしています。
　それがあなたが楽しいと感じたり、寂しいと感じたり、切ないと感じたり、嬉しいと感じたりする気持ちです。
　これを上手く使えないと、対人対応の邪魔をしてしまうことがあるのです。
　もちろん、自分の感情の波を上手に使うためにはそれが理解できれば役に立つことでしょう。しかしなかなか難しいものがあると思います。

【自分が相手からどう思われているか】

　特に、普段から自分の強い感情に支配されている人というのは、自分以外の他人に対する気持ちを制御できなくなることがあります。
　それは他人が見る自分を受け入れられないために起きる拒否反応です。
　普段、一人の時は意欲的になれたり集中できたり、色んな良いことがあるのがこの「感情」というものですが、それが人間関係を作るのに邪魔になってしまいます。

　それが、他人を目の前にしてどう振舞うか用意が出来ないと、この感情の起伏が強くなりとても不安になってしまうような場合です。感情のリズムが乱れることになります。
　結局、そうして自分が出逢いを成功させたいと感じる感情より、相手から自分がどう思われているか探ろうとすることの方が優先してしまい、それに振り回されてしまうことになります。
　こんな情動については「疑心暗鬼」という表現がされることもあります。

　自分は相手から好感が持たれているのか、自分はどんな風に見えているのか、常識的に見えるだろうか、まず不安が先に立ち、相手を理解しようという態度ではなくなってしまいます。
　結果としてあなた自身を伝えることができなくなってしまいます。

　そうして相手が見ている自分への印象に対応することができず、最初の出逢いで関係を作ることができなくなってしまうのです。
　他人に対して自分をどう見せるか、自分をどう伝えるかを決めることができず、自分が相手にどう見られているかが先に心配になってしまい、そんな感情がほとんどを占めてしまうのです。

【態度を急ぎ過ぎない】

　では、「人付き合いが上手」という人はどうしているのでしょうか。
　人付き合いが上手な人というのは自分が相手にどう見られているか、まずそのことに対応しようと相手を見ようとします。
　そういう人は他人への自分の感情を後回しにします。

　まず相手を理解しようとし、それから次に相手に対する印象や自分の気持ち（エモーション）に任せてご自分の振舞う態度を決めます。
　初対面でも「相手次第のことだから」と、先回りしようとはしません。
　人付き合いが上手な人というのは、まず相手が自分をどう見ているかを知ってから相手にどんな態度で振舞うかを決めているのです。
　つまり急ぎ過ぎたりしないのです。
　これは相手からすれば自分を理解しようとする態度に見えます。

　これが「上手くできない」という人はどうでしょうか。
　極端な言い方かも知れませんが、そんな人は出逢いの初対面からすぐ、「ああ、もう相手に見られしまって何かの印象を与えている。」と思っていることでしょう。
そして、
　「何かをきっと思われてしまっている。」
　「自分の印象はどんなだろう。どうしよう。どんな風に思われているんだろう」
　と、初対面ですぐ思い悩みます。

　つまりご自身が先に相手に評価されていることを前提としているのです。

　これはもう出逢いを成功させられるか、すでに決まっていると諦めているようなものです。
　まだどんなものか分からない愛糧からの第一印象について不安になっています。
　そうして自分は誤解されているか先入観で判断されてしまっている、そうしたことは受け止めようもありません。
　そんな風に不安になってしまえば相手に対する態度を決めることはできません。防御本能はコントロールできません。

　そうして、うまく自分を伝えられなくなってしまったり、どう相手に対応してよいか見失ってしまったりするのです。つまり相手に対する態度を決められないということになります。

【第一印象はすぐには始まらない】

　しかし実は相手の方も、人を見てすぐに相手に対して何らかの印象を持っているわけではないのです。
　一般的に「第一印象」などと言いますが、第一印象はそんなにすぐには始まったりはしないものなのです。

　だから、まず相手と会ったら、人付き合いが上手な人のように相手を見て相手の自分に対する印象を知ろうとし、それから自分の感情（エモーション）に任せ、ご自分のとる態度を決めても少しも遅くはないのです。
　その態度とはあなたがどう振舞おうか、どんな自分を見せたいか、ということです。

　例えば堂々としていたいとか、会えた嬉しさをそのまま表現したいとか、不安に思っているところを正直に見せたいとか、落ち着いているところを見てもらいお互いに落ち着いた気持ちで率直になりたいとか。

　ご自分の感情（エモーション）に従い、まずあなたご自身の態度を自然に決めてください。
　もし、それが湧いてこないのであればまだあなたは相手の自分への印象を受け止めていないのです。相手の自分に対する印象を理解するようにすればよいのです。

　よく言われる一般的な言い方として、「初対面ではまずは落ち着いて」などというものがあります。
　その真意とは、相手の方はあなたをすぐに判断したり決め付けたりするものではない、そんな意味ではないでしょうか。
　だからまずは安心してご自分の振る舞いを決めればよいということです。
　そしてあなたが相手へ振舞う態度を決めれば、それは相手の方にとってはあなたには分かりやすい一貫性があるということになります。
　それは安心でき、あなたという人を理解してもらえるキッカケになります。

　人とのお付き合いには「第一印象が大事」という言い方がよくされます。
　それは、自分がどう振舞おうとするか、相手が受けたあなたの第一印象からそれをまず決めること。そこから始まるという意味だとは言えないでしょうか。

　少なくとも、「ひと目見られただけでもう第一印象が生まれている」とか、そんなことはないのです。

　そして自分の相手への態度をまだ決められないのであれば、相手が自分をどう見ているかを理解し受け入れるようにすれば良いでしょう。そうすれば自分の態度はおのずと決まってゆくものです。

【相手を見てからでも遅くない】